以前に私の主治医の工場で、75TSのエンジンをオーバーホールをすることがあり、ちょうど見学することができたので写真を撮ってきました。TSエンジンの中をここまで詳しく撮った写真は他で見たことがないので、皆さんのいい資料になると思います。
まずはヘッドを撤去したあとのブロック部分。2気筒分のライナーとピストンは外してあります。皆さんご存じの通り、ウエットライナー故にウオータージャケット内は錆が浮いていて、一部ヘドロ化しています。
この程度の錆ではさほど気にする事はないとのことですが、組み直すにあたっては一通り洗浄してから組み直しています。
上手く撮れませんでしたが、同じエンジンを下から覗いたところです。オイルポンプは外してあります。
この写真を見ればよくわかりますが、実は主治医の工場ではよっぽどの場合(クランクを外す必要があるときとか、降ろした方が楽な付帯作業がある場合など)でない限りは、エンジンは載せたままオーバーホールしてしまいます。それだけ手間が省けますから、経験のなせる業ですね。
ピストンです。従来のアルファのピストンは圧縮比を上げるためにピストン天面が山のように盛り上がっていますが、あの形状ではノッキングが避けられませんし、ピンハイト(ピストン天面からピストンピンの中心までの距離)が高いとピストンが首を振りやすくなってしまうので高回転に向きません。

こうして75TSのエンジンを解剖してみて、このエンジンは2バルブDOHCの4気筒エンジンの中では史上最強のポテンシャルを持ってるんじゃないかと思いました。イタリアではこのエンジンを16V化してF3に載せていたそうで、もし当時アルファがもっと元気でフィアットグループに入らなかったら、ひょっとしたらTS16Vは75TSのエンジンがベースになっていたかもしれませんね。